新品の革靴を買った日にやることは、手入れより先に「チェック」です。傷や接着の浮きがないか、返品・交換の条件はどうなっているかを確認し、手入れは素材を見て必要なものだけ行います。履くのは短時間から始めて、1週間ほどかけて足と靴をなじませていくのが無難です。
この記事で扱うのは「おろす前の順番」です。クリームの選び方、塗りすぎたときのリセット、日々の靴磨き、防水スプレーの詳しい使い方は、それぞれ別の記事で書いています。
結論:買った当日にやることは3つ
- 外観と内側をチェックする(傷、接着の浮き、左右差)
- 購入店の返品・交換の条件を確認する
- 素材を見て、手入れが必要かどうかを決める
防水スプレーやクリームは、この3つを終えてからで間に合います。
買った当日にやること
傷・接着の浮き・左右差を見る
箱から出したら、明るい場所で全体を見ます。確認するのは次のところです。
- 革の表面の傷やシワ
- ソールとアッパーの接着部分の浮き
- 縫い目のほつれ
- 左右の形や高さの差
履いたあとだと、購入時からあった不具合かどうかの判断が難しくなります。気になる点があれば、履く前に購入店へ伝えます。
返品・交換の条件を確認する
返品や交換ができるかどうか、その条件は店やブランドによって違います。一度でも外で履くと対象外になる店もあります。防水スプレーやクリームを使った靴が対象外になるかどうかも、店によって扱いが分かれます。
購入店の案内を確認し、不明な点は店に問い合わせておくと安心です。室内で試し履きする程度なら問題ないか、あわせて聞いておくと、この後の履き慣らしの進め方が決めやすくなります。
かかと・ソールの減りやすさを見る
ソールが革底かゴム底か、かかとにゴムが付いているかを見ておきます。革底は路面や雨の影響を受けやすく、減り方も歩き方で変わります。履き始めの段階で把握しておく程度で足ります。
まだやらないほうがよいこと
- いきなり1日履く:靴擦れの原因になり、返品・交換の相談もしにくくなります。
- 素材を確かめずに防水スプレーをかける:素材によってはシミや風合いの変化が出る場合があります。
- クリームを何度も塗り重ねる:新品の段階で重ねると、べたつきやほこりの付着につながることがあります。
- 箱に入れたまま湿気のこもる場所にしまう:箱は通気が悪くなりやすいため、保管は風通しのよい場所を選びます。
- アルコールなどで革を伸ばそうとする:素材や仕上げによっては傷む可能性があります。自己判断で試す前に、購入店へ相談するのが安全です。
手入れの順番と素材別の注意
基本の流れ
新品でも、表面にほこりなどが付いていることがあります。流れは次のとおりです。
- 馬毛ブラシなど柔らかいブラシで、全体のほこりを軽く払う
- 必要ならクリームを薄く塗る
- 必要なら防水スプレーをかける
ただし、クリームと防水スプレーのどちらを先にするかは、製品によって違います。スプレーが先の製品もあれば、クリームが先の製品もあります。順番を間違えるとツヤが出にくくなる場合もあるため、使う製品の説明書や公式サイトに書かれた順番に従ってください。
素材別の早見表
| 素材 | クリーム | 防水スプレー | 注意点 |
|---|---|---|---|
| スムースレザー(一般的な本革) | 薄く塗る。色の濃い靴や淡い色の靴では、無色タイプが扱いやすい | 対応と表示された製品なら使える | 初めて使う製品は目立たない場所で試す |
| スエード・ヌバック(起毛革) | 一般的な靴クリームは向かないことが多く、専用品を使う | 起毛革に対応した製品を選ぶ | シミになりやすい。乾いたあとにブラシで毛並みを整える |
| エナメル | 専用品を使うか、使わない | 使えない製品が多いため、表示を確認する | 素材に合わない製品は避ける |
コードヴァンや爬虫類革など、上の表にない素材は、購入店か製品の説明書で扱い方を確認してください。
やりすぎのリスクと、手入れしなくてよいケース
手入れは、しなければならないものとは限りません。購入店から手入れの指示(購入時の説明書きなど)があれば、それに従います。特に指示がなければ、ほこりを払うだけで履き始める選択もあります。
クリームや防水スプレーを重ねすぎると、風合いが変わったり、べたついたりする原因になります。迷ったときは、少なめから始めるほうが失敗しにくいです。
防水スプレーは屋外で、時間に余裕を持って
防水スプレーは、風通しのよい屋外や換気のできる場所で使います。密閉された室内で使って体調を崩した事例も報告されているため、屋内で使うのは避けます。スプレーの距離や乾燥時間は製品ごとに違うので、表示を確認してください。乾くまでに時間がかかる製品もあるため、履く予定の前日までに済ませておくと余裕が生まれます。
最初の1週間の履き方
履き慣らしは、短時間から少しずつ延ばします。以下は目安で、足の状態に合わせて調整してください。
| 日 | 履き方 | ポイント |
|---|---|---|
| 1〜2日目 | 自宅で30分〜1時間ほど | 当たる場所の確認。この段階で強い違和感があれば、購入店に相談 |
| 3〜4日目 | 近所への外出、半日以内 | 外で履く前に、返品・交換の条件を再確認 |
| 5日目以降 | 1日履く | 履く日の間を空けて、靴を休ませる |
同じ靴を連続して履かず、1日履いたら1〜2日休ませるのが理想とされています。脱いだあとはシューキーパーを入れるか、丸めた紙などで湿気を取り、風通しのよい日陰に置きます。
靴擦れが出そうなときの対応
新しい革靴は、かかと、小指の側面、甲の部分が当たりやすい傾向があります。
- 当たりそうな場所に、あらかじめ絆創膏やパッドを貼っておく
- 靴下の厚みを変えて、当たり方が変わるか試す
- 痛みを我慢して履き続けず、赤みや水ぶくれが出たらその日は休む
早めに店に相談したほうがよいサイン
次のような場合は、履き慣らしを続けずに、早めに店へ相談します。
- 数日たっても痛みが続く
- サイズが明らかに合わない
- 接着のはがれや縫製の不具合がある
購入時からの不具合は、購入店へ伝えます。サイズ調整は、靴の素材や作りによって、できる範囲が変わります。近くの靴修理店に相談する選択肢もあり、地図から修理店を探せる「もよりペア」のようなサービスを使うと、通える範囲の店を見つけやすくなります。対応可否や料金は店舗ごとに違うため、事前に問い合わせてください。
よくある質問
Q. 防水スプレーは買った日にかけたほうがいいですか?
必須ではありません。かける場合は、素材が対応しているかを確認し、製品の説明書に従います。返品・交換の可能性が残っているうちは、使用後の扱いを購入店に確認してからにすると安心です。
Q. 新品の靴にクリームは必要ですか?
必ずしも必要とは限りません。革の乾燥が気になる場合や、購入店・メーカーから案内がある場合に、薄く塗る程度で足ります。
Q. 箱や薄紙はどうしたらいいですか?
箱に入れたままだと通気が悪くなりやすいため、普段の保管は風通しのよい場所が向いています。薄紙は、型崩れ防止に靴の中へ入れて保管する方法もあります。
Q. 雨の日に初めて履いても大丈夫ですか?
できれば避けたほうが無難です。履き慣らしの期間は、晴れた日を選ぶと靴への負担が少なくなります。濡れてしまった場合は、紙などで水分を取り、日陰で自然に乾かします。
まとめ
新品の革靴は、買った日にチェックと条件確認を済ませ、手入れは素材を見て必要なものだけ行います。防水スプレーとクリームの順番は製品の説明書に従い、履くのは短時間から。1週間ほどかけて慣らしていけば、靴擦れのリスクを抑えやすくなります。
痛みが続く、サイズが合わないといったときは、購入店か近くの靴修理店に早めに相談してください。もよりペアでは、お近くの靴修理店を探せます。